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ユニジャパン 文化庁 令和四年度日本映画の海外発信事業「ベルリン国際映画祭 若手日本人監督海外プロモーション」
令和四年度派遣監督 振り返り報告会 実施報告


 文化庁 令和四年度日本映画の海外発信事業「ベルリン国際映画祭 若手日本人監督海外プロモーション」において、ベルリン国際映画祭及び併設見本市へ3名の映画監督を派遣しました。 派遣された川和田恵真監督、佐藤快磨監督、野原位監督を招いて本事業を振り返る報告会を実施しました。当日の様子をご紹介します。

・開催日:令和5年3月28日(火)15:00-17:30
・会場:ユニジャパン
・参加者:川和田恵真監督、佐藤快磨監督、野原位監督、文化庁事業主催者、ユニジャパン事業運営担当者

司会:本日はお集まりいただきありがとうございます。
2月のベルリン国際映画祭、EFM派遣へのご参加、たいへんお疲れ様でした。帰国後の事業評価とレポートのご提出もありがとうございます。
重複する部分もあるかと思いますが、本日は、よりざっくばらんに振り返りができればと思っています。

ベルリン国際映画祭のように世界中から映画制作者が集まる場で皆さんをプロモートして顔や名前を憶えてもらうため、本事業では(企画の進み具合は問わずに)各監督に名刺代わりともいえる新企画を持ってきて頂き、海外の業界関係者にご自身の紹介と新企画のピッチングをご経験頂きました。

まずは、事前講義についてお話を伺います。もちろん企画書の作成やプレゼンテーションのご経験はあったと思いますが、海外目線で評価を受けるという点で、新たな学びはありましたか

川和田:私たちがお互いの企画書やピッチをみても気づけないような点、例えば言葉の選び方や、海外の人からみた企画の強みについてなども指摘してくださってすごくありがたかったです

司会:川和田さんは百人一首を持っていきましたよね?

川和田:喜んでくれる方も、見向きもしない方もいて、反応が様々だったんですが...持っていってよかったです

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川和田恵真監督の参加レポートはこちら


野原:講義を2回に分けて実施いただいたおかげで、初回のフィードバックを元に資料を修正する時間を持てました。ピッチの時間配分についても意識を向けることができて...本番ではよりシビアに感じることになったんですが...時間の使い方の大切さが身に染みました

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野原位監督の参加レポートはこちら

司会:1分、3分、5分制限のピッチ練習もしましたね。資料に関するテクニカルなアドバイスもいろいろありましたが、現地での反応はいかがでしたか

佐藤:とても細かくアドバイスをいただき参考になりました。例えば、国内のプロデューサーについてきちんと書いたほうがよい、という点ですが、実際ベルリンでお会いしたみなさんがプロデューサーについてしっかり確認していたなと実感しました。直接会ってお話しできる時間はとても限られているので、持ち帰って見てもらう資料のビジュアル表現に気を配るというアドバイスも的確だったと思います

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佐藤快磨監督の参加レポートはこちら

文化庁:今回のような海外でのピッチは初めてでしたか。また今回の手応え、例えば話が具体的に進んだというのはありましたか

野原:僕は初めてでした。海外に出て行きたいという思いは、参加前も参加後も変わらず強く思っています。今回の企画は舞台の一部を韓国に設定しているのですが、韓国のゲストから貴重な意見をいただいたこともあり、共同製作も視野に入れて物語の構造を変えようかなと思っているところです

川和田:私たち(川和田、佐藤)は釜山(Asian Project Market)に次いで2度目でしたが、そのときはプロデューサーと一緒に参加したので、海外でひとりで企画の紹介をするのは初めてでした

佐藤:シナリオができたら送ってね、という話はけっこういただきました。自分の場合は日本特有のテーマを扱っているので、受け入れてもらえるか不安に思っていたのですが、脚本やポスプロといったクリエイティブなところで関わっていこうという意思表示をいただき、とても前向きになりました

川和田:私の場合、扱っている内容自体が国を超えていくようなものなので、最初から海外の方と一緒に作っていきたいという意識がありました。ピッチをすることで自信がついたと同時に、自分の個性をどう出していくのか、どこを面白がってもらうのか、限られた短い時間で何を伝えるか、強いワードで伝えるためにも新しい要素が必要だという危機感とともに帰ってきました。さっそく現地での様子をプロデューサーにも報告して練り直しています。
実は国内でプロットを見せていたときに、かなり手応えを感じていたのですが、今回参加してみて、そんなに楽じゃないなっていうのも感じました。これはゲストの方々の野原さん、佐藤さんのピッチへのリアクションをみて自分で感じた点です

野原:三人で参加できたのは本当によい経験でした。自分の企画を一歩ひいて客観的にみる機会にもなりました

佐藤:ふたりが相手のリアクションによってピッチ内容を少しずつ変えているのがとても勉強になりましたね

司会:三人ともピッチングしていくうちに頭が整理されたというコメントを残してくれていましたね。ワークショップのとあるゲストが言っていた、ピッチングはone way(一方通行)ではいけない、受け手にもメリットがないといけないという言葉が印象的でした

佐藤:「わたしに何を提供してくれるの?」という問いは強烈でした(笑)

野原:あのワークショップはけっこう攻め込まれましたね。濃密で一番印象に残っています。もう少し滞在の早いタイミングで受けられたらとも思いました

文化庁:他の国の人たちの様子はいかがでしたか

野原:あまり機会はなかったですが、台湾のピッチを見学したときなど、すごい勢いを感じました

川和田:みなさん流暢な英語でしたね

佐藤:交流会はとても楽しかったです。顔と名前だけは覚えてもらおうと、必死でした

野原:朝から50名強くらいの方が集まってくれてありがたかったです。ピッチとは違う距離感で数名の方と濃密にお話ししたらあっという間に終わってしまいました

川和田:ピッチしなくてよい、ということでリラックスして本当に楽しく過ごせました(笑)朝ご飯をいただきながら温かな雰囲気でじっくり話せたことが嬉しかったです。夜のパーティーだとああはできなかったと思います

文化庁:交流会でもいろいろとアドバイスを受け取っていた様子でしたね
今回初めての現地派遣でしたが、来年度以降このプログラムをよりよくしていくにはどうしたらよいと思いますか。また、参加しようと思う監督にアドバイスがあれば教えてください

野原:自分の作品で映画祭に参加できたとしても、マーケットを見学する機会はまずないので、本当に新鮮でした。監督がピッチの数をこなす機会としてとてもよい経験になるので、特に監督人生のなかで早い時期に参加できたら素晴らしいと思います。欲を言えば、他国の監督のプレゼンを聞いたり、監督同士の交流もしてみたいですね

川和田:自分のストロングポイント、ウィークポイントについて直接リアクションいただけ、危機感も含めてものすごくモチベーションになりました。すぐにではなくても、今後何かの機会でつながる可能性のある方にも出会えてとてもよかったです。いつか「あのときの企画がこんなふうに変わりましたよ!」ということを伝えたいです。
今回は紙の資料を渡すのみでパソコンを使うことなど考えもしなかったのですが、機会がまたあれば、いろんなピッチの方法を工夫してみたいです。
ゲストのみなさんがとても忙しい中時間を作ってくれたことを承知していますが、もしできたらワークショップ前にシノプシスだけでも読んでくださったら、もしかしたら次の段階の話までできたかもしれないと思いました。ゲストの方々のプロフィールももう少し早めにいただけると、どんなふうに話すか準備がしやすかったかもしれません

佐藤:日本にいて海外の視点について考えても想像の域を出ないので、実際に出かけて、肌で感じることはとても大事だと思います。数々の質問に答えることで、自分の企画を改めて深く考える機会になります。
これはゲストの方が言っていたのですが、(通路に面した開かれたスペースではなく)少し個室っぽくなってるとより集中できてよかったかもしれないです

司会:スケジュールがびっしりでなかなか難しかったのですが、映画祭の様子ももう少しみていただけたらよかったですね

文化庁:お話しありがとうございました。今回の企画の進捗もですが、そのほかニュースがあればいつでもお知らせください。みなさんの今後の活躍を心から応援しています


▼本年度派遣監督募集案内はこちら 締切:令和5年10月31日
https://unijapan.org/news/info/unijapan/post_40.html


■お問合せ先
公益財団法人 ユニジャパン 国際支援グループ
TEL:03-6226-3022 E-mail: office@unijapan.org 
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