文化庁 令和五年度日本映画の海外発信事業「ベルリン国際映画祭 若手日本人監督海外プロモーション」において、ベルリン国際映画祭及び併設見本市へ派遣する映画監督3名が決定しました。
本事業は、この数年国内外においてめざましい活躍をみせる若手日本人映画監督を、世界三大映画祭のひとつであるベルリン国際映画祭および併設見本市「ヨーロピアン・フィルム・マーケット」へ派遣し、講義・ワークショップへの参加やスピードデーティングの実施等を通し、監督の国際的な知名度の向上、業界関係者とのネットワーク構築等を図るプログラムです。
本年度は、昨年、一昨年を上回る、参加意欲の高い監督の方々からの応募が集まりました。選考を重ねた結果、金子由里奈監督、工藤将亮監督、藤元明緒監督が選ばれました。3名には第74回ベルリン国際映画祭及び併設見本市「ヨーロピアン・フィルム・マーケット2024」に現地参加し、視察、プロモーション活動を通し国際的な映画産業への見識を深め、今後の国内外での活動の糧としていただくとともに、後日この機会に得た学びを映画製作者へ共有していただく予定です。
本事業への応募条件は、令和2年以降に国内外の対象映画祭の長編部門に出品実績があり、劇場公開した長編監督作品が3本以内の日本人映画監督で、参加時にピッチする企画があることとしました。
■参加する映画監督 ※五十音順
金子由里奈監督
東京都出身。立命館大学映像学部在学中に映画制作を開始。山戶結希 企画・プロデュース『21 世紀の女の子』(2018年)公募枠に約200名の中から選出され、伊藤沙莉を主演に迎えて『projection』を監督。また、自主映画『散歩する植物』(2019年)が PFF アワード 2019に入選し、ドイツ・ニッポンコネクション、ソウル国際女性映画祭、香港フレッシュ・ウェーブ短編映画祭でも上映される。初⻑編作品『眠る虫』(2020年)は、MOOSIC LAB2019においてグランプリに輝き、自主配給ながら各地での劇場公開を果たした。初商業作品『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(2023年)は、大阪アジアン映画祭、上海国際映画祭で上映されるほか、第15回TAMA映画賞最優秀新進監督賞を受賞した。
工藤将亮監督
京都府出身。森田芳光、石井岳龍、山崎貴、白石和彌ら現代の日本映画界を代表する名監督達のもとで、時代劇からSF、ファンタジーまで幅広いジャンルで研鑽を積む。初⻑編監督作『アイムクレイジー』が第22回富川国際ファンタスティック映画祭にて NETPAC 賞(最優秀アジア映画賞)を受賞。コロナ禍でステイホーム出来ない若者を描いた⻑編2作品目『未曾有』(2021年)がタリンブラックナイト国際映画祭 Rebels with A Cause 部門で正式上映され、23年の富川国際ファンタスティック映画祭でも再び公式招待を受けている。⻑編3作目『遠いところ』(2022年)が第56回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭のメインコンペティション部門にノミネートされ、第2回東京フィルメックスではコンペティションに選出。観客賞を受賞した。
藤元明緒監督
大阪府生まれ。ビジュアルアーツ専門学校大阪で映画制作を学ぶ。在日ミャンマー人家族を描く初長編『僕の帰る場所』(2018年)が第30回東京国際映画祭アジアの未来部門 作品賞&国際交流基金アジアセンター特別賞を受賞。2021年、ベトナム人技能実習生を描く長編第二作『海辺の彼女たち(日本ベトナム国際共同製作)』を公開。同作品はPFF第3回「大島渚賞」、2021年度「新藤兼人賞」金賞、第13回TAMA映画賞最優秀新進監督賞、第31回日本映画批評家大賞・新人監督賞などを受賞。主にアジアを舞台に合作映画を制作し続けている。
■プログラム内容 派遣期間:2024/2/15-2/21(予定)
監督3名は、渡航前に事前講義を受講し欧米の映画祭マーケットの役割について学び、各自準備している新企画のピッチングのアドバイスを受けます。 派遣中は「ヨーロピアン・フィルム・マーケット」に文化庁が設ける「ジャパン・ブース」を活動拠点とし、講義、交流会、企画ピッチングの機会を通じてプロデューサー、セールスエージェント、映画祭プログラマーなど業界プロフェッショナルとの関係構築を深めます。映画祭期間中に配布される業界紙への広告掲載も予定しています。
■本件のお問い合わせは下記「ジャパン・ブース事務局」までお願いします
【主 催】文化庁
【事務局】公益財団法人ユニジャパン
【お問い合わせ】ユニジャパン ジャパン・ブース事務局
〒104-0045 東京都中央区築地4-1-1 東劇ビル15階 TEL:03-6226-3022 E-mail:
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